2011/10/20

参加したセミナーのエッセンス テーマ:「ARを活用したビジネスの可能性」

10/19 次世代サービス共創フォーラム主催のワークショップより

AR:Augmented Reality(拡張現実感)の略。スマートフォンやカメラが搭載された携帯端末を通して、見ている現実の環境(の一部)に文字や画像、映像などの電子情報を重ね合わせることで、関連する情報を付加する技術。

講演:「AR技術の現在と今後の展望」
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 稲見昌彦教授
講演要旨
ARの研究とは、かつてマン・マシン・インタフェイスと呼ばれていた領域と重なりが大きく、機器を自分の体の一部に拡張したような感覚を得られるようにすることが手法であると同時に目標(指先に馴染んだと感じるペンのように)。
ユーザインタフェイスを考えるときに重要なのは、入力と出力を統合すること(入力に対するフィードバックが得られるインタフェイスが理想的ということと理解)。
リアリティを高めるには、認知しにくい(人にとって不得手な)ことを回避する工夫が必要。メンタルローテーションという脳内で見る角度を調整する行為が代表(回避例の代表としては、カーナビのヘッズアップ表示(進行方向を上にした表示、北を上にした表示では、南に進んでいる場合左右を反転させなければならないが、こうした調整行為がメンタルローテーションにあたる)。
現実の世界が物理法則に縛られる一方で、現実感の世界は認知科学や心理学が影響する。
物理的に見れば、音速は高速より遙かに遅いが、人は光よりも音の方がすばやく認知できる。したがって、30mぐらいまでの距離であれば、同じ距離離れた場所で発生した音と光について、音の方が遅れて受信するのに、認知し終えるのは音の方が先、という現象が起きる。3D映画の音響効果もこうした点に留意しないと、没入感を高められるのではないか。
ARで変わること
 -ユビキタス→いつでも、どこでも、だれとでも
 -AR→いまだけ、ここだけ、あなただけ
 -空間の拡張:位置がネットに乗り、モノがUIになる
 -時間の拡張:空き時間の意味を変容→調理時間中に調理時間に合わせた映像コンテンツを
  配信する電子レンジ
 -体験の拡張:三人称から一人称へ

ARの具体例 → Transparent Cockpit
ンピュータに映像を理解、識別させ(歩行者を認識させ警告を表示)ようとしなければ、精度のハードルは高くない。
その他にも、いわゆる光学迷彩など多くのARの具体例が紹介された。

講演:「“写真が動く!”新たな映像体験を実現するNTTコムウェアの『SmartCloud イメージベースAR』」NTTコムウェア株式会社 NTTビジネス推進本部 ビジネス企画部 スペシャリスト 兵藤雄二氏/同社 品質生産性技術本部 研究開発部 中江俊博氏

つまり、ある物理現象に対して脳の中で合成される認知結果と同じものを、脳の外で創り出して認知させることで、あたかもその物理現象が発生しているかのように思わせる、ということ。
このイメージベースARとは、写真を撮影するとその写真に紐付いた情報が提示されるという点においてはQRコードと同じだが、紐付いた写真から始まる映像と紐付けることで、あたかも写真が動き出すような錯覚を与えるというもの。

2011/10/13

読み終えた書籍のエッセンス(11) 東アジアにおける少子高齢化と持続可能な発展/駄田井正・原田康平・王橋

今日は国会図書館で発見して、アマゾンで中古を取り寄せた一冊。
日本と韓国と中国という興味深いサンプルの少子化について、各国の研究者が5つのテーマについてそれぞれ小論文を作成したものをまとめたという作り。

◆ 総論
 ■ 経済発展と少子高齢化
 ■ 少子高齢化の国際的背景と国内的背景
◆ 東アジアにおける少子高齢化の趨勢と推測
 ■ 日本の少子高齢化の現状と今後
 ■ 21世紀中国における少子高齢化の発展趨勢について
 ■ 韓国における少子高齢社会への新しい取り組みと課題
◆ 東アジアにおける少子高齢化の原因と問題点
 ■ 東アジアの現状
 ■ 中国の人口構造の変動による影響とその問題について
 ■ 韓国における少子高齢化の原因と問題
◆ 経済・社会・文化・教育・生活への少子高齢化の影響
 ■ 東アジアにおける少子高齢化がもたらす経済的影響
 ■ 中国の少子化が家庭と社会に与える影響について
 ■ 日本の高齢者に対する消費者教育の考察
◆ 少子高齢化と高齢者社会保険
 ■ 人口制御と素質の向上、および老後保障の強化
 ■ 中国の高齢化と養老保険制度の確立
 ■ 高齢化社会の養老サービスに果たす非営利組織の役割と意義
 ■ コミュニティ養老の発展に力を入れ、養老の社会化レベルを高めよう
 ■ 城市の65歳以上の高齢者が理想とする養老方式について
◆ 少子高齢化と持続可能な発展
 ■ 少子高齢化社会への対応
 ■ 社会の持続可能な発展と高齢者の経済活動
 ■ 少子化問題の解決は「おばあさん仮説」で
◆ 事例研究
 ■ 奄美大島における子育て応援の事例
 ■ 都市の老年女性の生活状況に対する調査と研究について
 ■ 中国高齢者住宅産業に関する考察
 ■ 寧波市の高齢化と社会経済の発展について

正直じっくり読み込む時間が無かったので、斜め読みなのだけれど、目に付いたメッセージをピックアップしたのが、以下のリスト。

 ■ 日本では労働力人口減少を生産性上昇で補えていない
 ■ 韓国の女性労働参加率(52.5%)は低くないが、出生率はOECD諸国の最下位。女性にとって
   仕事と家庭を両立しにくい環境が要因。
 ■ 中国の一人っ子政策は、都市人口の増加を抑制し、農村人口の都市流入に余裕を与える
   ことで、人口の都市化につながっている。
 ■ 「おばあさん仮説」:人類が他に例を見ない短期間で急増殖を果たしたのは、
   人間の女性が繁殖能力を失った後も長期間にわたって子育てのサポート役を果たすことで、
   母親の負担が軽減され、次の子供をもうける気になるからだという仮説。

姑と同居しなくなって子育て支援してもらえなくなったので、出生率が低下したというメッセージがあるが、だからといって政府が姑と同居しようキャンペーンをやったら…、いややれるはずがないな。我が国と韓国では。韓国では、いわゆる「嫁」という立場は、運動部の一年生みたいな虐げられる存在で、姑が三年なのは言わずもがな。自分がやられていやだったことはやらなければいいのにと思うが、どうも多くの人はそういう風にはできていないらしく、それは隣の国でも変わらないらしい。
中国だったら、姑と同居して子どもを増やそうキャンペーンとか真顔で取り組みそうな気がするけれど、意外とそれが中国共産党独裁体制に終止符を打つことになったりして。
余りまじめなコメントが書けるほど読み込めていないということが露呈してしまった…。

2011/10/12

読了した書籍のエッセンス(10) キュレーションの時代-「つながり」の情報革命が始まる/佐々木俊尚

目次は以下の通り。
◆ プロローグ ジョゼフ・ヨアキムの物語
◆ 無数のビオトープが生まれている
◆ 背伸び記号消費の終焉
◆ 「視座にチェックインする」という新たなパラダイム
◆ キュレーションの時代
◆ 私たちはグローバルな世界とつながっていく

この目次にキーワードの説明を組み合わせれば、エッセンスになる。
ビオトープ:「生息空間」価値観が多様化かつ先鋭化してきた中で、年齢、性別、国籍、居住地などでは特定の価値観を持つ層にリーチすることができなくなってきたと著者は言う。その中で、特定の価値観を持った人々が集まる空間をビオトープと表現している。
背伸び記号消費:高級車やブランド品によって自己表現し、自己満足しようとする消費行動。車を移動用の機械と割り切る若者を草食系と揶揄する前時代的価値観を著者は厳しく指弾している。
視座:意味は字の通り。他人のもたらした情報に新しい情報を付け加えることで、新しい視座を与えることで、意味を再定義する(=セマンティック・ボーダーを組み替える)人のことを、著者はキュレーター(原意は学芸員)と呼んでいる。

少し長くなるが、引用すると…
第三者であるキュレーターが付与するコンテキストによって、視座はつねに組み替えられます。キュレーターがソーシャルメディアの中で無数に立ち上がってくればくるほど、その視座は無限に拡張されていく。それこそがセマンティック・ボーダーの組み替えにほかなりません。そして、このセマンティック・ボーダーの不安定化は「ゆらぎ」を生み出し、その「ゆらぎ」こそがセレンディピティの源泉ということなのです。

内容はよくわかるのだけれど、何となく諸手を挙げて賛同する気になれないのは、学芸員が調子に乗りすぎている博物館に対するゲンナリ感のようなものかもしれない。
有名になりたいとか、売れたいとか言った色気を抜きにしてなされた名も無き名作に光が当たることはすばらしいことだ。しかし、本人が意欲を持って企画し、丁寧に取材する一次情報の創り手の価値の尊さを忘れてはいけないとも思う。

読了した書籍のエッセンス(9) 誰もが正社員になれる20年後がいいとは限らない/ 玄田有史

今日のは、書籍というか正確には記事。2030年の日本経済/中央公論2011年8月号に掲載された東京大学教授
にして「フリーエージェント社会の到来」で解説を書いていた玄田先生の記事。内容はインタビューをまとめた内容になっているのだけれど、氏の立場がわかりやすくまとめられている。

■ 20年後の2030年の雇用状況、今とは正反対のことが起きていると考えた
  方がいい。経済全般の制度やシステムはだいたい15年くらいで寿命が
  尽きるものだから。
■ 今までの「いい大学を出て…」が人生の成功だとは思えなくなったが、
  それに代わるモデルが見つかっていない。
■ 誰もが正社員になれれば安心して暮らすことができるかもしれないが、
  本当の意味で創造性のある社会ではないだろう。雇われて働くというだけ
  じゃないものが生まれないと、この先の日本は厳しい。
■ 今の日本で深刻なのは、自営業がずっと減り続けていること。
  非農林業の就業者に占める自営業者の比率は、1970年代末の14.2%以降、
  一貫して減り続け、2010年には7.8%まで落ちている。今回の大震災の
  ようなことが起きると、自営業を始めるのに慎重になるだろう。また、
  自営業は否が応でも家族(円満な夫婦関係など)が拠り所だが、単身世帯の
  増加など、家族形態の変容もあって、反転は難しいだろう。
■ 働く意識よりも環境が変わっている。かつて仕事は組織単位だったが、
  今はプロジェクトベース。そうした開放性がないと、不確実な問題、不
  確実な将来に対処できないから。ウイークタイズ=ゆるやかな絆が重要。
■ 雇用に関して政策的にできることは、長期失業者や大卒未内定者解消のために、
  就職斡旋のプロを活用すること。日本は他の先進国に比べて失業者の
  就職活動を公的に支援する人の数が圧倒的に足りていない。公的職業紹介
  機関の職員は、一人あたり英独の7~10倍の失業者を担当しているが、
  さらに減らそうとしている。経費削減と失業者増のどちらを取るか
  考えなくてはならない。
■ 若い人たちにばかり負担を押しつける社会に決別し、今はまだ豊かな
  高齢者の資産を若者に投資することで、高齢者自身の安定した老後を
  保証するような新しい仕組みも必要。

2011/10/10

読了した書籍のエッセンス(8) 「デジタル教科書革命」/中村伊知哉・石戸奈々子

どうやら絶版になっているらしくアマゾンで新品が手に入らなかったので、やむなく図書館で借りることに。手元に書籍が残らないので、これまでに比べて、少し丁寧に記録。

まず、目次は下記の通り。
◆ デジタル教育が日本を救う
 ■ 教育の情報化に出遅れた日本/デジタル教育は日本を滅ぼす?/
   近未来の授業とは/情報社会にふさわしい教育改革/
   21世紀に求められる能力/日本は情報化先進国/
   教育情報化政策の新展開/デジタル教科書は教科書ではない?/
   学校の情報化事情/教育情報化のメリット/情報化がもたらす効率性
   
◆ 世界はもうここまで進んでいる
 ■ 世界をリードする韓国/政府主導のシンガポールと台湾/
   先端を切り開くアメリカ/学校主導型のイギリス/
   マゼランのポルトガル/青山小学校のデジタル授業/
   ニンテンドーDSの活用/公立小学校のチャレンジ/NPO法人「CANVAS」
◆ 電子書籍端末の現在
 ■ 百花繚乱の情報端末/iPadの教育利用/電子書籍元年/
   教育用アプリケーション/創作アプリケーション/教育クラウド
◆ 進化するデジタル教材
 ■ 教科書会社の戦略/デジタル教材の開発/
   eラーニングとOCW(Open Course Ware))/
   広がるシリアスゲーム/モバイル学習の展開/
   新聞の教育利用/テレビと映画の映像教材/
   配信ビジネスの現状/電子書籍戦争の勃発/教材2.0
◆ これからの課題
 ■ デジタル教科書の開発/普及の課題/総合的な政策/
   デジタル教科書教材協議会

そして、エッセンスは以下の通り。

◆ 日本におけるデジタル教科書の導入計画
 ■ 日本の学校におけるPCとLANの導入状況(2010年3月末)
   PC 1台あたり6.4人の生徒/普通教室の校内LAN 81.2%
 ■ 政府の目標: 2020年には1人1台の情報端末とデジタル教科書の導入
  - 小学校706万人、中学校360万人に情報端末とデジタル教科書を
  - 同じ水準を韓国は2013年に達成目標
  - 「日本の教育現場のICT活用は、フィリピンやタイにも大きく劣る。
    現場で使われているパソコンの性能面でも、実際の使われ方にしてもだ」
     (陰山英男立命館大学教授)
  - 「デジタル教科書教材協議会」は2015年に実現すべきと言っている
◆ 企業の人材採用基準
 ■ 経団連「新卒採用の選考にあたって重視した点」アンケート調査結果
  - コミュニケーション能力 81.6%
  - 主体性 60.6%
  - 協調性 50.3%
  - …
  - 学業成績 5.4% → 企業は他の項目を重視している
◆ IT戦略本部「新たな情報通信技術戦略」
 ■ 情報通信技術を活用して、
  - 子ども同士が教え合い学び合うなど、双方向でわかりやすい授業の実現
  - 教職員の負担の軽減
  - 児童生徒の情報活用能力の向上が図られるよう、情報通信技術を活用して、
    21世紀にふさわりしい学校教育を実現できる環境を整える
◆ 内閣「新成長戦略」
 ■ 「子ども同士が教え合い、学び合う『協働教育』の実現など、教育現場(中略)
    における情報通信技術の利活用によるサービスの質の改善や利便性の向上を
    全国民が享受できるようにするため、光などのブロードバンドサービスの
    利用を更に進める」
◆ 「学校教育の情報化に関する懇談会」
 ■ 文科省副大臣が発起人となって2010年4月に立ち上げ
 ■ 座長 慶應義塾大学 安西祐一郎教授
 ■ 同懇談会が発表した「教育の情報化ビジョン」(骨子)
  - 「我が国の子どもたちにとって課題となっている思考力・判断力・表現力
    などを育むためには、各教科において、基礎的、基本的な知識・技能を
    しっかりと習得させると共に観察・実験やレポートの作成、論述といった
    知識・技能を活用して行う言語活動をより充実させる必要がある。この点、
    情報活用能力を育むことは、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・
    処理・編集・創造・表現し、発信・伝達できる能力などを育むことである。
    また、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着とともに、知識・技能を
    活用して行う言語活動の基礎となるものであり、「生きる力」に資する
    ものである」
◆ 普及に向けた課題
 ■ デジタル教科書、教材を指導にうまく活用できない教員への対応
 ■ 校務の情報化による教員の自由時間創出
 ■ 教科書検定制度や教科書無償給与制度、著作権などの諸制度
◆ 世界の状況
 ■ 韓国
  - 2001年から2005年にかけて、PC1台あたり生徒数5人、カリキュラムの20%
    でICTを活用、毎年1/3の教員にICT研修を実施し認証制度を導入、昇進
    など人事考課にも反映、デジタル教材や授業案の開発、サイバー倫理
    教育の実施といった目標を掲げて推進している
 ■ シンガポール
  - 2003年からの4年間で20億ドル、生徒一人あたり年間650ドルを投じて、
    カリキュラムの30%でOCTを使う状況を実現。全国で6校を指定し、
    各生徒にタブレットを配布、宿題も自宅に持ち帰ったタブレットで
    実施している

※この書籍が出版された背景には、田原総一朗氏のデジタル教育を否定した書籍の出版があるようで、内容的にもデジタル教材推進派の反論本という趣きが否定できない。とはいえ、デジタル教材を使ったほうが、子どもがワクワクしながら勉強できる環境を整えられる可能性が高まるのだから、紙以外の媒体を否定する理由が理解できない。この本に対するアマゾンの書評にタブレットなど配ったら、子どもが騒いで授業にならないと書いている人がいたが、子どもがそんなワクワク感を持っている中で授業ができない教師など必要ないのではないか、と私は思う。すべての子どもに等しくワクワク感を与えることなどできないかもしれないが、それを理由に全員からその可能性を奪って、静かで退屈な授業を選ぶなど教師の考えることではなかろう。今日は少し脱線してしまったけれど、私たちがやり直したくなるような魅力的な小中学校にしてもらいたものである。

2011/10/09

読了した書籍のエッセンス(7) 創造的破壊 未来をつくるイノベーション/米倉誠一郎

今日は一橋大学イノベーション研究センター教授の米倉誠一郎先生の著書。一橋ビジネスレビューの編集院長にして六本木ヒルズ日本元気塾塾長をお務め。この夏直接お話を伺う機会を得たところで、6月にこの本を出されていたのを知り、拝読。内容は以下の目次に示す通り。

◆ 大震災以降の社会を構築する
 ■ クリティカル・マスが世界を創る/
   戦後日本のパラダイム・チェンジ/視点を変えれば不利が有利に/
   クレイジー・アントルプルヌアとしての西山弥太郎/
   大きな時代観と楽観的進取の気象/
   流れを読み、流れに乗る/来るべき時代は何か/日本におけるジャスミン革命
◆ 新しい資本主義を創る
 ■ 経済の本格的回復に必要なもの/もう元には戻らない/
   資本主義を舐めてはいけない/
   起業家とイノベーション/なぜ「創造的破壊」なのか
◆ すでに起きている未来-日本のイノベーターたち
 ■ 旭山動物園・小菅正夫さんのイノベーション/
   栃迫篤昌さんと日本発の社会主義モデル/
   日本発のアショカ・フェローの原点は心ない言葉/
   日本理化工業・大山泰弘さんの軌跡と奇跡/
   障害者雇用のきっかけ/障害者の戦力化/
   うれしいエピソード
◆ ソーシャル・イノベーションという方法
 ■ 国に任せてはいられない/ユヌス博士とグラミン銀行/
   貧困のない世界を創る~ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義~/
   グラミン銀行のはじまり/
   グラミン銀行がニューヨークに進出した理由/ビジネスの概念を問い直せ/
   ソーシャル・ビジネスで「技術と問題」をつなげば、社会問題は解決できる/
   (対談)ソーシャル・ビジネスも持続可能でなければならない/
   グラミン銀行のイノベーション/見慣れた現象を新しく見る力/
   グラミンに駆けつけた若者から学ぶ
◆ 高校生のための社会スタディ
 ■ 「会社はビルじゃない」/
   自己肯定感と自信/世界で共生する若者を創るために/税所君の後日談
◆ 世界から日本が消える
 ■ 30年前に逆戻りしてしまった日本/ワークハードからワークスマートへ/
   北欧の考え方/世界はフラット/
   全世界で日本の携帯電話のシェアはたったの2.9%/
   トヨタの役員には外国人も女性もいない/
   世界の議論に入っていけない日本/
   アブダビ・マスダールシティ
◆ 世界から学ぶ
 ■ アイルランドに学ぶ/日本の金融はどうなるべきか/
   製造業と金融業の最強組み合わせを日本から/
   ソリューションが他企業:新しいものづくり/
   地球へのソリューション:日本IBMに学ぶ/
   日本の交渉力・外交力/山西師範大学での授業/
   二階に上げて、梯子を外される
◆ 歴史に学ぶ-大隈重信の革新性
 ■ 志士から日本人へ:外交官大隈重信/攘夷から外交折衝へ/
   隠れキリシタンという奇跡/外交課題としてのキリシタン問題/
   パークスの恫喝をはねのけた大隈/貨幣悪鋳と銀貨流出/
   貨幣問題は「日本ノ物」ではない/国立銀行制度をめぐる対立/外交と財政
◆ 日本のパラダイム・シフト
 ■ エネルギー供給・需要サイドのイノベーション/
   分権化政策としての道州制/少子高齢化社会の先駆け

※日本元気塾塾長をお務めの米倉先生ですが、今年6月東日本大震災を踏まえて出版されただけあって、さらにいっそうパワフル、かつシンプルに日本復活に向けたメッセージが込められている。どちらかといえば、大学生前後の若い世代におすすめの内容。ちなみに、直接お会いした印象も同じようにパワフル。

2011/10/08

読了した書籍のエッセンス(6) インタンジブル・アセット 「IT投資と生産性」相関の原理/エリック・ブリニョルフソン

intangible 【名】無形のもの。 数値としてバランスシートに表記できない資産のこと。近年、長期指向の投資家の間でとりわけ注目されている視点である。もう少し具体的に言えば、組織のありようが持つ価値や個々の人が持つ価値を資産として捉える考え方で、それをIT投資によって高めていくにはどうあるべきか…ということが本書の主旨。

目次は下記の通り。
◆ コンピュータ、生産性、デジタル組織
◆ 計算機能を越えて: 情報技術、組織変革、企業業績
◆ IT生産性の格差
◆ インタンジブル・アセット コンピュータと組織的資本
◆ コンピュータ導入による生産性の向上 企業レベルデータによる実証結果
◆ デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション「マトリックス・オブ・チェンジ」に学ぶ

少し長くなってしまったけれど、そのエッセンスは以下の通り。

◆ デジタル組織(ITを活用してIT部門以外での機構改革を実現している組織)の七つの原則
 ■ アナログからデジタルの業務プロセスに移行すること→最低限必要な条件
 ■ 意思決定責任と決定権を分散すること→人材の育成が重要
 ■ 社内の情報アクセスを促進し、コミュニケーションを活発にすること→情報共有
 ■ 個人の業績に基づいた給与体系にし、それを業績に基づいた報奨制度とリンクさせること
 ■ 事業を絞り込み、組織の目標を共有すること→利益の源泉にならない製品ラインを廃止し、少数の主力製品に事業を絞り込む
 ■ 最高の人材を採用すること
 ■ 人的資本に投資すること→社員教育や研修にもっと費用と時間をかけること
◆ デジタル組織が持つ特性
 ■ 多数の定常業務の自動化
 ■ 高スキルの労働力
 ■ 意思決定の分散化
 ■ 水平、垂直方向へのよりオープンな情報の流れ
 ■ 業績に基づく強力なインセンティブ
 ■ 教育や採用活動の重視
◆ IT投資における五つの仮説
 ■ コンピュータ資本に投資された一ドルは、その他の計測可能な資産が制御された場合、企業の市場価値を一ドル以上増加させている。
 ■ コンピュータ投資は、観察可能な組織的業務環境への投資の増加と相互関連がある。
 ■ 3これらの業務慣行が企業の生産的資産の一部を表す場合、業務慣行は市場価値の増加とも相互関連がある。
 ■ このような特定の組織的業務慣行とコンピュータ資本投資を組み合わせた企業にインタンジブル・アセットが最も多く見られる場合、当該企業は同じ業務慣行を個別に採用している企業に比べ市場価値が高い。
 ■ コンピュータ導入による情報化及び特定の組織的業務慣行と相互関連があるインタンジブル・アセットが存在する場合、このインタンジブル・アセットのリターンを反映して、将来の生産高は増加する。
◆ マトリックス・オブ・チェンジ
企業が置かれた成長ステージの違いによって、事業変革の大胆さ(変革を進める規模やスピード感)に違いが出てくる。これを「見える化」するためのツールとして本書が提案しているのが、「マトリックス・オブ・チェンジ」
 ■ 提案されている事業方式の採算性評価
 ■ 一連の変革設計(原稿の方式からの移行手順)
 ■ 新たな方式の導入場所の選択(例えば、新規サイトや内部サイト)
 ■ 変革速度の最適化(速くか遅くか)
 ■ 利害関係者及び付加価値の源泉についての理解
◆ 結論(と銘打たれたセクションからのキーメッセージの抜粋)
デジタル技術による事業の次の段階においてインターネットを効果的に活用することは、さらに重要な問題となるだろう。ドットコム時代の最盛期にインターネットについて誰もが考えていたことは、既存企業は、小規模のオンライン新興企業を模倣する、あるいは新興企業との提携を目的に特化した事業部門を別途設立し、迅速な市場参入に向けて、「新たなスタートを切る」べきであるということであった。(中略)インターネットとデジタル化による事業革新の次の波では、既存の事業の業務形態を切り捨てるのではなく、既存の業務形態間の補完関係を活用することの方がより重要となる。
現在のデジタル事業の環境では、ほとんどの企業はいまだに代替段階に留まっているといえる。このような代替方法では、予定されていた付加的便益はあるものの、新たに導入されたデジタル事業の業務形態が組織の他の側面を阻害する場合がある。しかし、デジタル化による事業の究極的な力は、企業と経済を変革することだ。ここでの教訓は、情報技術は事業のやり方を変革できるが、単に既存の業務形態に情報技術をのせるだけでは不十分だということである。企業は業務の進め方や価値創造の仕方についてもっと広い検知から検討する必要がある。
→それを具体的に視覚化するのが、「マトリックス・オブ・チェンジ」ということでもある。

※とても興味深い視点なのだけれど、マトリックス・オブ・チェンジは思ったより複雑で、作るにはそれなりの知見が要求される。エッセンスと言いながらここまで長くなってしまったところからも、よく言えば複雑な内容、悪く言えばまとまりに欠ける印象。「煎じ詰めたら、一文にまとめることができました」というほど単純な本ではない、というところ。

2011/10/07

読了した書籍のエッセンス(5) モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか/ダニエル・ピンク

今日取り上げるのは、ダニエル・ピンク。5冊目にして2回目の登場。
今度はモチベーションに対する考察。出版は2010年7月と比較的新しい。

目次は以下の通り。
◆ はじめに ハリー・ハーロウとエドワード・デジの直面した謎
◆ 新しいオペレーティング・システム
 ■ モチベーション2.0の盛衰
 ■ アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由
 ■ アメとムチがうまくいく特殊な状況
 ■ タイプIとタイプX
◆ <モチベーション3.0>3つの要素
 ■ 自律性
 ■ マスタリー
 ■ 目的
◆ タイプIのツールキット

そして、エッセンスは以下の通り。
◆ 人間のモチベーションのとらえ方の3つの世代
 ■ モチベーション1.0: 人間は生物的な存在のために生存のために行動する、とみなした考え方
 ■ モチベーション2.0: 報酬や処罰が効果的だとみなした考え方
 ■ モチベーション3.0: 学びたい、創造したい、世界をよくしたいという第三の動機付けもあるとみなした考え方
◆ モチベーションの分類法
 ■ タイプX: 活動から生じる満足感ではなく、その活動から得られる外的な報酬と結びつくタイプ
 ■ タイプI: 活動によってえられる外的な報酬より、活動そのものから生じる満足間と結びつくタイプ
◆ モチベーション3.0の3つの要素
 ■ 自律性(オートノミー):自由に好きなようにやる→ROWE(Result Only Work Environment)
 ■ 熟練(マスタリー):何か価値あることを上達させたいという欲求
  - 自己目的的体験;自己充足的な目的による行動。つまり。活動自体が報酬にあたる
  - フロー:やらなくてはならないことと、できることの相関性がぴたりと一致する/魂の酸素
  - マスタリーの3つの法則 マスタリーは…(1)マインドセット(2)苦痛(3)漸近線
  - 「かつては天賦の才だと思われていた多くの資質が、実は、少なくとも10年間の厳しい訓練の結果であることが判明した-」
  - マスタリーを目指す自律的な人々は、非常に高い成果を上げる。
 ■ 目的: 自律性と熟練に背景を与えるもの
  - 高邁な「目的」のためにそれを実行する人々は、さらに多くを達成できる。
  - きわめて強く動機づけられた人々は、自らの欲求を、自分以外の「より大きな目的」に結びつける。
◆ 自己決定理論
 ■ 有能さへの欲求(need for competence:環境と効果的にかかわりながら学んでいこうとする傾向性)
 ■ 関係性への欲求(need for relatedness:他者やコミュニティとかかわろうとする傾向性)
 ■ 自律性への欲求(need for autonomy:行為を自ら起こそうとする傾向性)

※ 息子のやる気を引き出すのにも、第2世代、つまり「モノで釣る」ようなまねを繰り返してきたことに深く反省…。これも若いうちに読んでおきたかったというか、教えてほしかった内容。

2011/10/05

読了した書籍のエッセンス(4) ダントツ経営 コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」/坂根正弘

今日はグローバル化に成功したベストプラクティスとしての坂根コマツ会長の著書。

世の中の景況感の影響を受けやすい建機業界にあって、三菱重工との合弁で日本市場に進出してきたキャタピラーという巨人と競り合うばかりか、そのお膝元である米国市場への進出に成功し、今最もホットな中国市場でも成功を収めている日本有数のグローバル化成功例といわれるコマツの取り組みをとてもわかりやすく読みやすくまとめた一冊。きちんと勉強していれば高校生でも十分理解できるのではと思うくらい。

◆ 中国市場の先進性: 日本や米国と違って、白紙からあるべきモデルを実現してきた分、コマツの中国市場の仕組みは先進的かつ理想的。

◆ ダントツ・プロジェクト: 商品開発の際には競合が追いつけないような圧倒的優位性の創出に心血を注ぐ。そのために、まず大事なのが捨て(られ)るものの見極め。

◆ オリジナリティの活かしどころ:社内システム開発の際にオリジナリティを発揮してあれこれカスタマイズする日本企業が多いが、コマツでは業務を標準化するために、社内システムは汎用ソフトを使い、開発部門は売却した。

◆ 成長とコストを分けて考える: コスト削減といって、変動費を削るのは間違い(とりわけ下請けを泣かせるのは×)。まずは不要な固定費の削減が第一(不採算事業からの撤退や余剰人員の削減)。

◆ M&Aの基本スタンス:「どちらがオーナーになったほうが、その事業がより発展していけるか」その一点のみ。

◆ コマツウェイ: 経営者が代替わりしていくにつれて、コマツらしさが洗練され進化し、企業価値が高まっていくことを目指して、代々の経営者の間で申し送り、また従業員の間で共有する行動指針。特に従業員向けの内容が、カリスマオーナー社長が書いたトップダウンの社是ではなく、現場の匠の声を反映した点が特長。

◆ 今後の方向性は環境、安全性、ICT: コムトラックスというICT技術が、環境と安全性の向上に貢献している様子が印象的。

◆ 「為替に一喜一憂しない」:この前NHKでやっていたテレビでも、円高に対する被害者意識が強い視聴者投稿が目立っていた。だから、円高是正なんてできもしないことに貴重な税金を使おうとする政治家が後を絶たないのだと思う。この本の最後の章には、正しい政策や政治リーダーを見極める視点も取り上げられている。

昔、米系のIT企業でマーケティングのマネージャをしていたころ、外部環境が厳しく売上が上がらない中で本社に出張したときに、本社側のカウンターパートだったマネージャが、「困ったときは"Do the right thing!"」と励ましてくれました。うまくやるでも、賢くやるでもなく、正しい(と思う)ことをやる。この本を読んで、その時のことが思い出された。

読了した書籍のエッセンス(3) クラウドソーシング/ジェフ・ハウ

クラウドはクラウドでも、Cloudではなく、Crowdのほう。

目次は以下の通り。

◆ はしがき-ヒューマン・ネットワークの夜明け
◆ 第一部 ここまでの道のり
 ■ アマチュアの台頭-クラウドソーシングのエンジンに燃料を注ぎこむ
 ■ きっかけは単純だった-クラウドソーシングの設計図を描く
 ■ より速く、より安く、より賢く、より簡単に-生産手段を民主化すする
 ■ 企業の興亡-コミュニティを商売(コマース)にする
◆ 第二部 いまいる場所
 ■ もっとも普遍的なクオリティ-多様性が能力に勝るわけ
 ■ 群衆は何を知っているのか-集団的知性を活かすには
 ■ 群衆は何を作るのか-1パーセントが変革をもたらす
 ■ 群衆は何を考えているのか-10パーセントがもみ殻から小麦を選り分ける
 ■ 群衆は何に資金を投じるのか-10ドルずつで財政を立て直す
◆ 第三部 これからどこへ行くのか
 ■ 明日の群衆-デジタルネイティブの時代
 ■ 結論-クラウドソーシングのルール

そして、そのエッセンスは下記の通り。

● 「誰であろうと関係ない。頭のいい人々のほとんどは他人のために働く」
   by ビル・ジョイ(サン・マイクロシステムズ共同創立者)
● 群衆の知恵: 集団は個人よりも多くの知識を蓄えているという原則
● 群衆の創造: 群衆は創造のエネルギーを持っている(TV CMのアイデア募集など)
● 群衆の投票: 群衆の判断力を利用し、大量の情報を整理する
● 群衆の投資: 人々の大規模な集団が銀行などの代わりにミュージシャンなどに投融資を行う
● 寛容な独裁者が群衆を適切に導く: 群衆が単独で作業に当たると考えるのは、
  オープンソースプロジェクトに対する大きな誤解
● スタージョンの法則: 9割は役に立たないが、残りの1割が重要
 その1割に才能を発揮する場を与えることができるのが、クラウドソーシングの利点

水は高いところから低いところに流れる
実の詰まったもみは沈み、もみ殻は浮かぶ
そんな世の理ってのは無視できない、というよりうまく活かさないといけない、という本

2011/10/04

2015年になっても100億円規模に届かない国内モバイルセキュリティ市場

IDC Japanが2011年10月4日発表した国内モバイルセキュリティ市場予測によると…

◆国内モバイルセキュリティ市場規模全体
  - 2010年 23億円
  - 2015年 93億円
  - CAGR 32.2%

◆セグメント情報
■ モバイルセキュアコンテンツ/脅威管理市場(ウイルスやスパム、ハッカー、不正侵入などの防御)
  - 2010年 14億円
  - 2015年 58億円

■ モバイルアイデンティティ/アクセス管理市場(PKIやSSL証明書といった認証技術)
  - 2010年 3億円
  - 2015年 15億円

※モバイルセキュリティ/脆弱性管理市場、その他モバイルセキュリティ市場については数値無し。

全体で100億に届かず、一番魅力的な市場が58億円。いったい、何社が食べていけるのだろう。

読了した書籍のエッセンス(2) 2030年超高齢未来/東京大学高齢社会総合研究機構

2冊目は高齢社会に関する書籍。昨年12月に出版された比較的新しい一冊。
日本が世界で最初の「幸せな長寿国家」になる、と意気込む東大の先生たちがまとめた本。
「ジェロントロジー」とはWikipediaでは「老人学」と変換される。

次の目次をみれば、どういった内容のものかはだいたいわかるはず。
◆ 迫り来る超高齢社会の衝撃
 ■ 2030年、社会のすべてが変わる
 ■ 超高齢社会における社会保障の姿とは
 ■ 超高齢社会とはどんな社会か
◆ 「幸せな超高齢社会」というパラダイムシフトへ
 ■ 新たな社会システムの必要性
 ■ いまこそ社会のパラダイムを転換させよう
◆ 超高齢社会への東京大学の挑戦① 知と力を結集して、豊かな「長寿社会」を拓こう
 ■ 鎌田実教授が語る、東京大学の「未来づくり」-明るく豊かな超高齢社会を築くために
 ■ 秋山弘子教授が語る、「長生きを心から喜べる長寿社会」への取り組み-長寿・健康・経済のリンクが鍵
◆ 超高齢社会への東京大学の挑戦② 「健康なまま長生きできる社会」をつくろう
 ■ 辻哲夫教授が語る、長寿社会の「医療」-「Aging in Place」をかなえる在宅医療
 ■ 村嶋幸代教授が語る、長寿社会の「看護」-長寿社会を支える「地域の看護ステーション」
 ■ 伊福部達教授が語る、長寿社会の「テクノロジー」-長寿社会を明るくする福祉工学
◆ 超高齢社会への東京大学の挑戦③ 「いきいきした街」をつくろう
 ■ 大月敏雄准教授が語る、長寿社会の「まちづくり」-未来を照らす長寿社会の水先案内人
 ■ 牧野寛教授が語る、長寿社会の「学び」-学びが明るい人生と豊かなコミュニティをつくる
◆ 超高齢社会への東京大学の挑戦④ 「頼りになる仕組み」をつくろう
 ■ 樋口敏雄教授が語る、長寿社会の「法律」-気軽に頼れる弁護士のいる社会へ
 ■ 岩本康志教授が語る、長寿社会の「経済」-早い準備で超高齢社会の経済を切り拓く
 ■ 鎌田実教授が語る、産学連携の取り組み-そして、企業も動きはじめた
◆ 超高齢社会を逆手にとる「新」成長戦略
 ■ 「長寿社会」への改革
 ■ 「超高齢社会ビジョン」の視点
 ■ 豊かさを実感できる超高齢社会へ
◆ 「超高齢未来」へのメッセージ ビジョンの共有に向けて
 ■ 豊かな超高齢社会の実現のために

その中からキーセンテンスを挙げると…

○ 時間はもうない、立場や分野を越えた連携とビジョンの共有が急務
○ 「予防医学」「健康増進」がこれからのテーマ
○ 医療・介護技術に不可欠なのは、IRT(情報ロボット技術)とICT
○ 不公平感のない制度設計で、明るい未来をつくる
○ これからの高齢者は「老人」ではない
○ 生きがいと就労ーこれからは高齢者が社会の支え手となる
○ 異分野連携が鍵

内容はいたってわかりやすく読みやすい。日本は他の先進国が経験していない超々高齢社会に進んでいる。その中で暗澹たる思いや閉塞感にとらわれたている多くの日本人に希望と可能性を伝えたいという筆者たちの思いが伝わってくる。政府には期待できない(かもしれない)けれど、この国の民間のパワーは何か奇跡を起こしてくれるかも知れないと、チラッと思わせてくれる一冊。

2011/10/03

読了した書籍のエッセンス(1) フリーエージェント社会の到来/ダニエル・ピンク

久しく放置していたブログですが、今年の夏手がけた調査の過程で読んだ書籍のエッセンスの備忘録をまとめることに。かなり集中的に読んだので、忘れないうちに、でも手間をかけすぎないように、一日一冊のペースでまとめる決意。なお、順番にたいした意味はありません。

★ フリーエージェント社会の到来/ダニエル・ピンク

◆ デジタルマルクス主義: 労働者が再び生産手段を手にした
◆ フリーエージェント社会の「材料」
 ■ 個人と組織の関係の変化 組織忠誠心の減退
 ■ テクノロジーの変化 個による生産手段の奪還
 ■ 経済の繁栄
◆ 自己実現、要求のピラミッド、至高体験
 ■ 高度な技能が求められる仕事を自由に行えると、その人の自我は豊かになる
 ■ 機会と引き替えに能力を提供する
 ■ ピーターの法則とピーターアウトの法則
   -階層社会の構成員は自分の能力を超えた地位まで昇進する(ピーターの法則)
   -組織の構成員は、昇進するにつれた、次第に仕事が楽しくなくなる(ピーターアウトの法則)
◆ フリーエージェントネーションに必要なもの
 ■ 人間関係、利他的な互恵主義、第3の場所

※2002年にこの本を書いた慧眼ぶりに何より感服させられた。自分もフリーエージェントの端くれなので、読んでる間は力がわいてきたのだけれど…、読み終えた後はいささか凹んだ。巻末の解説でフリーエージェントネーションにほど遠いと嘆かれた日本社会(※解説が書かれたのは2003年)が、8年経ってさらに遠ざかっているとしか思えなかったから。今回色々勉強させてもらって、この国は大いなるチャレンジを迎えていて、それゆえのチャンスも可能性も持っていると感じたのだけれど、その一方で今しっかりしないと取り返しが付かない瀬戸際にいるということも痛感した。その日本で今読んだからこそ、これからもフリーエージェントとして、踏ん張って進んでいこう、と強く深く感じることができた。この解説を書いた玄田有史教授の著書から別の希望をいただいたので、その新しい縁結びも含めて、いい出会いとなった一冊。息子たちにもいずれ読ませたい100冊。